AMNさんにご招待いただき、「ツリー・オブ・ライフ」ブロガー限定試写会に行ってきました。
場所は例のナイショの試写会場。配給会社はディズニーです、念のため。
ブラッド・ピットとショーン・ペンというハリウッドの2大スターを迎えた壮大な家族物語。
でも、二人の絡みはそんなにないです。
あらすじ
1950年代、オブライエン夫妻は3人の息子にも恵まれ、テキサスの小さな町で満ち足りた生活を送っていた。一家の大黒柱の父親(ブラッド・ピット)は西部男らしく子どもたちに厳しく接し、逆に母親(ジェシカ・チャステイン)がすべての愛情を彼らに注ぎ込んでいた。一見幸福そうに見える家族の中で、長男ジャック(ハンター・マクラケン)は孤独を感じる。
成功し実業家になったジャック(ショーン・ペン)は人生の岐路に立ち、遠い少年時代を回想する。力こそが全てだと信じる厳格な父と、純粋すぎるほどの愛に満ちた母との狭間で葛藤し、父への反感を募らせていた無垢な日々。暗黒の淵にとらわれそうな彼の心を、光のさす場所に留めたものは何だったのか? “あの頃”に再び思いを巡らす時、すべてを乗り越えつながり続ける家族の姿に、ジャックは過去から未来へと受け継がれていく生命の連鎖を見いだす…。
第64回カンヌ映画祭パルムドール受賞作品。監督のテレンス・マリックは、約40年の監督人生でたったの5本しか撮っていないという奇才。しかも自分の映画には一切コメントを出さないという。奇才というか、鬼才?それでも、この監督と仕事をしたい!という俳優はたっくさんいるそうだ。
何度か映画館でこの映画の予告編を観ていて、その中で流れる「モルダウ」がすごく印象的だった。なぜここで、モルダウ?
これがこの映画のキーワード。とにかく厳し過ぎる父に対し、3兄弟は強烈なプレッシャーを感じている。おちおちご飯もゆっくり食べられない。ちょっと反抗しようものなら、まさにちゃぶ台返し。あぁ、これってジャクソンファミリーにおけるジョーパパじゃないですか。子供ってね、押さえつけられればつけられるほど、反抗したくなるものなのですよ。
でも、たまに優しい時もある。
こういう「負」ではない、「正」の記憶って、負よりも強く刻み込まれるものなんだ。普段は厳しいことしか言わない父親が、ほんの一瞬だけ優しく接してくれた記憶。それが子供の心を占める記憶の大部分になったりする。そしてそれがなきゃ、耐えられない。
息子たち3人は、まったくの素人をオーディションで選んだそうです。その素朴さが返って良かった。まったくの偶然ですが、次男役の子はブラピにそっくり。
たまたま友達のオーディションについてきて、見初められちゃったっていうラッキーボーイです。
厳しい父と対極にいるのが、優しい母。
あまりにも傍若無人な夫に対し、不信感をあらわにするシーンもある。だけど結局、暴走を抑えきれない。女性は男性に逆らえない時代だったのかもしれないけど。
わたしはテレンス・マリック監督の作品を初めて観たのですが、どれもこんな感じなのでしょうか?ブラピとショーン・ペンによる、家族の映画、と思って観に行くと、冒頭20分で
「わたしは違う映画を観ているんじゃないだろうか」
という錯覚に捕らわれること間違いなし。見た目だけでいうと、『HUBBLE 3D ハッブル宇宙望遠鏡』+『127時間』+『ジュラシックパーク』です。あっけにとられて、しばらく「ぽかん」としちゃったもの、本気で。ものすごく映像はきれいなんだけど。
一言で言えば、「難しい映画」です。わたしのニガテ分野。観た側に「この映画を観て何かを感じ取ってください」って考えさせる映画は、わたしには難しい。そう、まさに『BIUTIFUL』と同じような感じ。
とかなんとか言ってますが、わたし、自分自身のトラウマを呼び起こされて、涙が出たのです。子供の頃のわたしが、自分の父に対して思っていたのとまったく同じセリフが出てきて、グサッと来た。まさかほかにもそんなこと考える子供がいるとは思わなかったから。そしてそれは、決して親に対して抱いてはいけない感情だった。親どころか、誰に対しても。
ブラピが自らプロデューサーに名を連ねてまで、映像化したかった映画だそうです。元々本人は出演するつもりはなかったんだって。
どうでもいいが、ショーン・ペンはシワが増えたなぁ!
『カーズ2』を配給する一方で、こういう映画もかけるディズニー。だから映画って面白い。
ということで、☆3つ。
好きな人は好き、なのかなぁ?万人受けはしないかもしれません。
コメント
1 ■ まだ観てないけど・・・
高校生の時、ブリティッシュロック全盛期で、バリバリのロック少女だったんだけど、一時期クラシックにハマった時があって、その時「モルダウ」は大好きな曲のひとつだった。
曲の始まりは滾々と湧き出るほんの僅かな「清水」。
それは「せせらぎ」となり、魚や水草を育む「川」へ、そして雨水や汚水をも飲み込み、時に穏やかに、時に濁流となり、喜びも悲しみも押し流していく大きな「大河」へ、やがて「海」というこの地球のすべての源へそそがれていく・・・。
音楽だけで、ここまでその景色が頭の中に見えてくる「音楽の凄さ」を初めて知った曲のような気がする。
きっとそれを人生になぞらえてこの映画につかわれたのかな・・・と、はなちゃんの記事を読んでて思った。
超「妄想族」なシド・キャロルでした。
http://ameblo.jp/mj-in-my-heart/
2 ■◎シド・キャロルさん
わたしも中高と吹奏楽少女だったし、
モルダウは合唱コンクールとかでも歌われてたから、
すごく好きな曲。
なんだけど、ここかけるところじゃないでしょ、ってところでかかるw
いや、わたしがこの映画を理解できていないから、
なんか不自然に思えてしまうのかな・・・。
http://ameblo.jp/flower51/