黄金のアデーレ 名画の帰還

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黄金のアデーレ 名画の帰還
黄金のアデーレ 名画の帰還

あらすじ

アメリカ在住の82歳のマリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)は、グスタフ・クリムトが描いた伯母の肖像画で第2次世界大戦中ナチスに奪われた名画が、オーストリアにあることを知る。彼女は新米弁護士ランディ(ライアン・レイノルズ)の助けを借り、オーストリア政府に絵画の返還を求めて訴訟を起こす。法廷闘争の一方、マリアは自身の半生を振り返り…。

黄金のアデーレ 名画の帰還

1枚の絵画を取り戻すため、オーストリア政府を相手に裁判を起こした女性の実話に基づく映画です。

クリムトが描いた「黄金のアデーレ」という絵画をご存知でしょうか。名前は知らなくても、絵を見たらわかる人もいるかも。

黄金のアデーレ(Wikipediaから拝借)

この絵のモデルとなったアデーレ・ブロッホ=バウアーという女性がいて、この映画の主人公はその姪である82歳のマリア・アルトマン。

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オーストリアの裕福な家庭に育ったマリアは立派な家に住んでいましたが、ナチスによって家も調度品も、有名な画家グスタフ・クリムトが伯母のアデーレを描いた肖像画をもナチスに奪われます。その後アメリカに亡命し、何十年も静かに暮らしていたある日、その絵がオーストリアの美術館に飾られていると知ったマリアは、新米弁護士ランディの助けを借り、オーストリア政府に絵画の返還を求めて訴訟を起こします。

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一個人が国を相手に訴えているわけで、そう簡単に事は運ばない。この絵はもともとは個人の所有物だったとはいえ現在は国で管理されていて、しかもそれがアデーレの遺言によるものだということになっている。マリアとランディはその遺言が無効であるという証明を必死になって探す。

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最初はお金目当てだったランディも徐々にこの裁判にのめりこみ、家庭崩壊寸前までいってしまう。

そんな二人を助けてくれるのがチェルニン(ダニエル・ブリュール)。

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ラッシュ/プライドと友情』でニキ・ラウダを演じていた人ですね。あとは『コッホ先生と僕らの革命』なんかにも出てます。

裁判の話と並行して、マリアがオーストリアからどのようにしてアメリカに渡って来たのかというドラマが挿入されます。ただユダヤ人であるという理由だけで居場所がなくなり、いつ命を奪われてもおかしくない極限状態からの脱出。実際はもっともっと過酷だったと思いますが、観ていて胸が締め付けられる思いでした。

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とにかくね、マリアを演じたヘレン・ミレンの存在感が圧倒的です。そこにいるだけでなんか威厳がある。

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『RED』みたいなコミカルな役もいいし、去年のわたしの大好き映画『マダム・マロリーと魔法のスパイス』みたいな冷たい女性の役もいい。でもやっぱり『テンペスト』だけは理解できない。

ライアン・レイノルズ演じる弁護士は最初は全く頼りないひ弱な弁護士だったのに、事件にのめり込むにつれかなり風格が出てくる。

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この弁護士のモデルとなった人は、後に不当に没収された資産を取り戻す裁判専門の弁護士になったそうです。

ネタバレしますと、黄金のアデーレは無事マリアの元に戻ってくるのですが、その絵をエスティ・ローダーの社長が買い上げて、今はニューヨークの美術館に飾られているそうです。マリアは多額のお金を手に入れたようですが、それまでと変わらず洋品店で働き続け、2011年に94歳で亡くなっています。

1枚の絵に隠された真実、悲しみ、思い出。いろんな思いが交錯して、ポロポロと涙が止まりませんでした。

ということで、/5
こういう小粒だけど上質な映画をいっぱい観ていきたいと思うのです。

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